第10章 あなたのためなら
キッドはミーウに呼ばれて顔を上げた。
「助けてくれて、ありがとう!」
ミーウは太陽のような眩しい笑顔でキッドに言った。
「あ、あァ」
キッドはさらに顔を赤くした。
そのまま3人は港に降りた。
「ミーウー!」
ミーウがクザンの背中から降りると、アユナがミーウのところへ走って来て抱き付いた。
「アユナ」
「ミーウのバカ! 心配したんだから! 本当に……」
アユナは顔を涙でぐちゃぐちゃにしていた。
「心配かけてごめんなさい。もう、1人で行動しないから……アユナに心配かけないから……だから……ね?」
ー泣き止んで?
ミーウはアユナの涙を手で優しく拭きながら言った。
「もうこんなことしないで……」
「うん、約束する」
そう言って、ミーウは右手の小指を出した。
「うん」
アユナも右手の小指を出して、ミーウの小指に絡めた。
「約束!」
ミーウとアユナは笑顔で約束をした。
「おい、坊主! お前、本当によくやったな!」
「偉いぞ! あんな小さな子を守ったなんて!」
「この色男が! あんな可愛い子を守るなんてよー! この、この!」
「立派ね! 放送聞いた時は女の子が人質なんてって心配で心配で……」