第10章 あなたのためなら
「当たり前じゃねェか! 行くぞ、ミーウ!」
「言われなくても!」
2人は同時にアルファに向かって行った。
「……このおれが……随分、ガキに舐められたもんだな!」
アルファはそう言うと、ヌンチャクを取り出した。
(来る!)
「キッド! 全力で左に避けて!」
「!」
キッドはミーウの叫び声を聞いて、甲板に足を着地させて左に体を傾けた。すると、先程までキッドがいた場所にヌンチャクが勢いよく振られた。
「危ねェ」
キッドは受け身を取って、すぐに起き上がった。
「……」
(どうやって能力が発動されるかわからないが……)
ーミーウを守るためにやるしかない!
「行け!」
キッドは両手をアルファに向けた。すると、近くにあった武器がアルファに向かって飛んで行く。
「チッ」
アルファはそれを器用に避けた。
「あまい」
アルファがキッドの攻撃を避けている間に、ミーウは後ろに滑り込んだ。
「氷刀」
ミーウは小さくそう言い、氷の刀が現れた。そして、氷刀でアルファを斬ろうと思ったが……。
「あまいのはお前だ。キルリレ」
アルファは上に高く飛び上がって、ミーウの攻撃を避けた。
「死ね」
アルファは高く飛び上がったまま、ミーウの頭に向かってヌンチャクを振り下ろそうとした。だが……。