第10章 あなたのためなら
キッドはニカッと笑った。
(お前に言われなくても……)
「そんなの当たり前だろ? ミーウはおれの船に乗る大切な船員だ。死なせるわけねェだろ?」
キッドは森を振り返って、すぐに走り出した。
「キッド!」
アユナがキッドに向かって叫んだ。
キッドはアユナを振り返った。アユナの目からは涙が流れていた。
「絶対……絶対、2人とも無事に帰って来てね!」
その言葉を聞いて、キッドは笑った。
「あァ、絶対にミーウも連れて、2人とも怪我しないで無事に帰って来るぜ!」
そう宣言すると、キッドは森の中に消えて行った。
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