第10章 あなたのためなら
「おそらく……今のミーウは駐屯所の中で1番強いお前よりも強いぞ」
「!?」
ミルウィートと呼ばれた海兵は目を見開いて驚いた。
「そんな……」
ミルウィートは海軍将校の位で少佐の位を貰っていた。
「本当だ。海軍将校の位で言えば……そうだな……中佐くらいの実力はあると言っても過言ではないと思う」
「な!?」
「だが……」
クザンは下でまだキッドにくっついているミーウを見た。
「あいつには実践の経験が全くと言っていいほどにない」
「……」
ミルウィートや他の海兵たちは黙って、クザンの話を聞いている。
「実践なしで……いきなり海兵にするわけにはいかないだろう?」
「そ、そうですが……でも、相手が……」
「もしもの時はおれが助けるし、ミーウが怪我をしたらおれの責任にすればいい。それでいいんじゃないの?」
「クザン大将……ですが!」
クザンはふっと笑った。
「それに……おれがミーウの実力を見てみたいっていうのもあるしね」
+