第9章 海賊王の誓い
ミーウはスレイジの言葉を聞いて、クスッと笑った。
「たぶん……わたしが海賊王っていう存在をそんな風に考えることができるようになったのは……あの人のおかげなのかもしれない」
ミーウは海を見つめた。ーー少しだけ寂しそうに。
スレイジはそんなミーウの横顔を見て、口を開いた。
「……お前にとって、そいつは大切な奴だったのか?」
ミーウは海を見つめたまま、少しだけ微笑んだ。
「うん……。友達として、とても大切な存在だった」
ミーウはスレイジを見た。
「だった、じゃ……おかしいわね」
ミーウはふっと笑った。
「今も……そして、これからも大切な友達よ」
ミーウはスレイジに向かって、いつものように笑顔を見せた。
「……」
スレイジは黙り込んだ。
(大切な友達なら……)
ー何でお前は……そんなに寂しそうな顔をしているんだ?
スレイジは目を細めた。
ー何か……あったのか?
「……」
ーそんなこと、おれに聞く権利はないけど……。
ミーウはずっと海を見つめている。ーー寂しそうな表情を浮かべたまま。
「ミーウ……」
スレイジは我慢ができなくなって、ミーウに声をかけた。
「……何?」
ミーウは首を傾げた。
「……」
スレイジはミーウを見つめた。
ー何でお前は……そんな悲しそうな顔をしているんだ?