第9章 海賊王の誓い
(……ミーウ……)
アユナはそんな浮かない顔をしているミーウを心配そうに見ていた。ーー天竜人であるミーウがこの節の話をするのは精神的にとても辛いのだ。だから、ミーウがなぜ、そんな顔をしているのかはこの3人の中ではアユナだけが知っていることだった。
「……ミーウ?」
ミーウの様子を見て、不審に思ったキッドがミーウに声をかけた。
「あ、えっと、ごめん。話の途中だったね。それで……」
ミーウはキッドの瞳を見ながら、また真剣に話し始めた。
「その巨大な王国と連合国との戦いは……本によれば、とても悲惨な戦いだったらしいの。人が人を斬り、人が人を撃つ……そんな光景が当たり前だった」
ミーウは本に書かれていたことを思い出しながら話した。
「その戦いの中で……相手に対する攻撃はどんどんエスカレートしていって……伝説によれば、ある“兵器”が使われたと言われているの」
キッドは眉を寄せた。
「“兵器”?」
「そう」
ミーウはキッドの目を見ながら頷いて、話を進めた。
「具体的にはどんな兵器だったのか、わかっていないけど……その兵器がその戦争の勝敗を分けるのに重要だったと伝えられているの」
ミーウは丘から見える広い海を見渡した。
キッドとアユナ、そして、キラーもそれにならう。
「その“兵器”は世界にとって大きな意味を持つものだった」
ミーウはキッドを見た。
「その大きな意味を持つ“兵器”を最近になって見つけ出したのが……海賊王G・ロジャーだったと噂されている」
ミーウは遠い目をした。