第9章 海賊王の誓い
「……わたしたちが生まれる何百年も前から、ずっと続いているこの世界には……大人が子供に教えない……ううん、それよりももっと前の先人から来世に受け継がれることがない“空白の100年”と呼ばれる歴史があるの」
「“空白の100年”?」
キラーは聞いたことがないという様子でミーウの話を聞いていた。
「うん、つまり……一部の人間にしか知られることがない歴史のことを“空白の100年”と人々は呼ぶの」
ーーその“空白の100年”を知っている者は世界中で数えられるほどしかいない。ーーミーウとアユナはその中の人間に数えられる者だった。
ミーウは1度、深呼吸をした。
「そもそも、わたしたちが目指す〈ひとつなぎの大秘宝〉もその“空白の100年”の中で隠されたと言われている説もあるの」
それを聞いて、キッドはつまらなさそうな顔をパッと変えて、目を輝かせた。
「本当か!?」
「ええ」
ミーウは再び話し始めた。
「今から900年から800年前……世界では“空白の100年”と呼ばれる期間に何かがあったと言われているの。そして、800年前に“空白の100年”が終わりを告げ、“シャンドラ”という古代都市が滅亡した。また、同時期に“巨大な王国”と呼ばれる国が連合国によって滅ぼされている。その巨大な王国を滅ぼした連合国が……今の世界政府になってるの」
ミーウは少しだけ顔を曇らせた。