第9章 海賊王の誓い
キラーはふっと微笑んだ。
「キッドは必ず海賊王になる男だ。なると言ったら、必ず成し遂げる……それがユースタス・キッドという男だ」
キラーはアユナの頭を再び優しく撫でた。
「ミーウが心配だったら、あいつに任せればいい。あいつは絶対にミーウを死なせるようなことはしないはずだ」
アユナは上目遣いでキラーを見た。
「本当……?」
「ああ、キッドを信じろ」
キラーの言葉を聞いて、アユナは柔らかく微笑んだ。
「それと……アユナは自分自身のことは心配するな」
キラーは口元に手を置いて、少し恥ずかしそうに言った。
「お前のことは……おれが責任持って守ってやる」
「え……」
次の瞬間、2人は同時に顔を真っ赤にして俯いた。
「え、えっと……キ、キラー……?」
「な、何だ?」
キラーは自分の髪をくしゃりとした。
(しまった……。これじゃあ、好きだって言ってるようなものじゃないか……)
2人が顔を真っ赤にしていると、丘の下から呑気な声が聞こえてきた。
「アユナー! キラー! ただいまー!」
「はァー、疲れたー!」
ミーウとキッドは大楠の木陰にいる2人のところへ来ると、草の上にゴロンと大の字に寝転んだ。
「ちょっと遊び過ぎた……」
「本当ね……疲れちゃった……」