第9章 海賊王の誓い
「だったら何で……」
「でもね」
アユナはキラーの言葉を塞いで、声を発した。
「でもね……キラー。もしもよ、もしもの話だけど……」
アユナは1度顔を伏せてから、決心したようにその口を開いた。
「もしも……この中の誰かが……死ぬようなことがあったら……わたしたちは……それでも、笑って過ごすことができるのかな?」
「!」
キラーは驚いた顔をした。
「……」
そして、ミーウとキッドを見た。
「……」
(確かに……)
ーもし、この中の誰かが死んでしまったら……。
「……誰1人として笑える奴はいないだろうな」
キラーは真っ直ぐにアユナを見つめた。
アユナは黙って頷いた。
「そう……よね……。それなら……」
「だが……それなら、そんなことがなければいいだろう?」
アユナはキラーを見た。
「……どういうこと?」
キラーは優しく微笑んだ。
「全員が全員、キッドの船長命令の通りに強くなって、全員が全員、死なないようにすれば……それでいい……ということだ」
キラーは笑って、アユナを頭を撫でた。
「誰も死ななければ、どんな怪我を負ったとしても、生きていれば……それだけで4人とも幸せだ。それに……」
キラーはミーウとキャッチボールをしているキッドを見た。
「おれたちの船長がそんなことさせない」