第9章 海賊王の誓い
ーー8年前のある日……。
南の海にある“竜国島”。その島の中心にある大楠に4人の子供たちが遊んでいた。
「キッドー! 行くよー!」
「よし、いいぞ。来い! ミーウ!」
キッドは構えた。
ミーウはキッドに向かってボールを投げた。
バンッ
キッドはミーウが投げたボールをしっかり取った。
「ナイスボールだ。ミーウ」
「キッドもナイスキャッチ!」
2人は笑っていた。
そんなミーウとキッドの楽しそうな様子をアユナとキラーは大楠の木陰から静かに見ていた。
「楽しそうね。ミーウとキッド」
「ああ、本当にな」
アユナとキラーは顔を見合わせて微笑んだ。
ーこんな時間が永遠に続けばいいのに……。
アユナは空を見上げながら、ふとそんなことを思った。ーーしかし……。
「ねえ、キラー」
「何だ?」
キラーは空を見上げたままでいるアユナを見た。
「わたしたちって……海賊になるのよね?」
キラーは少し驚いた様子でアユナを見つめた。
「何を言っているんだ。この前ここで約束したばかりだろう? ……アユナは……海賊になりたくないのか?」
キラーは少し戸惑った様子で聞いた。ーーアユナが急にそんなことを言うなんて思っていなかったからだ。
アユナは首を横に振った。
「違うの」
アユナはキラーを見た。
「わたしは海賊になりたいし、みんなとも一緒にいたい」