第9章 海賊王の誓い
(自由だから……)
ーわたしたちは夢を抱いて前に進むことができるんだ。ーーこの海を。仲間と共に。
「なるほどな……」
スレイジはふっと柔らかく笑った。
「お前は……他の海賊と少し違うのかもな」
スレイジは深い青に染まっている海を見つめた。
「おれの知っている海賊は……おれが見た海賊は……お前みたいにそんな立派なことを言えるような人間じゃなかった。人を殺し、物を奪い……〈ひとつなぎの大秘宝〉なんか目指しているような人間じゃなかった。寧ろ、〈ひとつなぎの大秘宝〉の話を聞いて笑うような奴らだった。だが……」
スレイジはミーウを見た。
「お前は違う」
ミーウは首を傾げた。
「スレイジからしてみたら……わたしもそういう人たちと同じ海賊なんでしょ?」
スレイジは苦笑した。
「あァ、昨日まではな」
スレイジはミーウの頭をポンポンと叩いた。
「でも、お前たちはあいつらと違う。……やっと、わかった」
ーおじいの言っていたことが……。
「お前たちは……あいつらと瞳が……目が違う」
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