第9章 海賊王の誓い
ミーウは少し微笑んだ。
「それまでの日々が……全て無駄になるわけじゃないよ」
ミーウは空へと視線を移した。
「その航海の中で経験した戦闘、それは……たとえ、どんなに厳しい修行をしたとしても、得ることができないもの。その航海の中で出会った人々、それは……もしかしたら、一生出会うことがなかったかもしれない人たち。そして……その航海での思い出、それは……他の何物にも変えることができない仲間との宝物」
ミーウは空を流れる雲の動きを見ながら、ゆっくりと深呼吸をした。
「航海って確かに大変なことばかりで……1回進んだ道は引き返したくなんてない……。時間も余計にかかるし、その分、仲間にもたっくさん苦労をかけてしまう……。それは嘘じゃない。でも……」
ミーウはスレイジを見た。
「だからと言って、引き返したからって無駄になることなんて何1つない」
(たとえ……その選択が間違っていたとしても……)
ー自分の進む道に疑問を持ったらそれまでだ。
ミーウは優しく微笑んだ。
「自分を信じて突き進めれば……それでいいんじゃないかな?」
ミーウは笑った。
「海賊はこの世界で1番自由なんだから!」
ミーウはまた笑った。
「海賊は確かに悪いこともする。法律違反なんてもってのほか、しない人なんていないくらい。だけど、海賊はそんな法律とかに囚われることがない。自由なんだ。どんな人よりも誰よりも……自由なんだ」