第9章 海賊王の誓い
そのまま、ひっくり返った桶の水は2人にかかって、桶は2人の後ろへ転がってしまった。
「……」
「……」
ミーウもスレイジも桶を見ながら、黙ったまま座り込んでいた。
「……おい、ミーウ」
スレイジはいつもより低い声で言った。
「お前、どうしてくれんだよ!」
スレイジはミーウに向かって怒りをぶつけた。
「……ごめんなさい……」
ミーウはしょんぼりした様子になって反省している。
スレイジは盛大にため息をついた。
(また汲み直しかよ……)
スレイジは立ち上がって桶を拾った。
「ミーウ」
ミーウはスレイジを見た。
「水汲むぞ」
ミーウは力なく頷いて立ち上がった。
2人は疲れた様子で川に戻った。
ーーこれが後に、世界中を翻弄する海賊団のツートップの始まりだった。
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