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【ONE PIECE】罪を抱く紅い目をした白き竜

第9章 海賊王の誓い


「……重たい……」
 桶はミーウの予想よりもはるかに重たく、ミーウはびっくりした。ーーとてもじゃないが、スレイジのように肩に担ぐことはできそうにない。
 そんな様子のミーウを見て、スレイジは呆れた様子でため息をついた。
「だから言っただろ? お前じゃ無理だって」
 ミーウは一息ついて、スレイジの言葉に1回だけ頷いた。ーーミーウにとっては頷くのもやっとの状態だった。
「うん……」
(でも……)
 ミーウは隣にいるスレイジの腕を見つめた。スレイジの腕はいつも鍛えているため、ミーウの腕よりもはるかに太かった。
(こんな重たい桶を2つも一緒に持つことができるなんて……スレイジってスゴい……)
 ミーウはスレイジを見たまま、少しだけ悲しそうな顔をした。
「……」
(やっぱり……)
 ー女が男を超えることは不可能に近いのかな?
 ミーウはそんなことを考えてから振り切るように頭を振った。それから、ゆっくりだが確実に歩き出した。
 スレイジはそんなミーウの様子をずっと見ていた。
「……」
(こいつ……)
 ーやっぱりスゲェ……。ーー女じゃ、到底運ぶことができないと思っていた水の入った桶を持って、しかも歩き出した。
 スレイジは静かに笑った。
(おれはこいつに負けて当たり前だったのかもしれねェな……)
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