第8章 幸せのかたち
「……すまなかった……」
セメイは悲しそうな瞳をして言った。
「わしがちょっとした冗談を言っただけなのに……あいつは昔から冗談が通じないやつで……本当に困ったものだ……」
スレイジが去った方向を見ながら、セメイはゆっくりとした口調で話した。
「今日はもう疲れただろう。部屋を用意したからゆっくりするといい。この部屋の隣だ。食事と風呂も設けてある」
セメイは少しだけ笑った。
「……すみません……。わたしたちが来たばっかりに……」
ミーウは目を伏せて謝った。
「気にしなくていい。それより、早く休みなさい」
セメイは隣の部屋の扉を開けて、ミーウたちを中に入るように促した。
「すまない、何から何までやってもらって。ほら、ミーウ、そうしている方がよっぽど邪魔だ。早く寝るぞ」
「うん……セメイ殿、ありがとうございました。おやすみなさい」
ミーウとアユナはセメイに一礼して、ミシュラと共に部屋に入った。
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