第8章 幸せのかたち
「ミーウにはちゃんと海賊王の器があると……お前はそう言いたいのだな?」
「ああ」
(そんなことは当たり前だ)
ミシュラはセメイの目を逸らすことなく、はっきりと断言した。
「そうか……残念だ……」
セメイはとても残念そうに目を細めて笑った。
「この島に残ってくれるのなら、スレイジの嫁にでもしようかと思っていたのだがな」
セメイはスレイジを見て、飄々と少しからかうように言った。
その瞬間、スレイジの周りの空気は今までにないくらい、バチバチと音を立てた。スレイジは顔を真っ赤にして怒ってセメイを睨むように見た。
「おじい! なんてことを言い出すのですか! ミーウは仮にも若いとは言え、海賊ですよ! 海賊をおれの嫁にするなんて! そんなこと、おれは絶対認めない! おじいだってわかっているでしょう! あの時のことを忘れたのですか!」
スレイジはこれ以上にないほどに怒った。そして、ミーウたちを睨んだ。
「用が済んだら、さっさとこの島から出てけ! ここは海賊なんかが来ていい島じゃねェ。それに、この島にいる必要なんかねェんだよ!」
そう言うと、スレイジはドアをバンッと乱暴に閉めて部屋を出て行ってしまった。
スレイジが出て行った後、部屋は静まり返ってしまった。