第8章 幸せのかたち
セメイはそれを聞いて、セッハッハッ笑った。
「若い娘が……大胆不敵によう言ったわ」
そう言ってから、セメイはふと真面目な顔をした。
「海賊王……この世の全てを手に入れることができると言われている者……」
セメイは真っ直ぐミーウを見つめた。
「それになる器を……お前は持っているのか?」
「……それは……」
ミーウは黙り込んでしまった。
(わたしには……)
ーわたしにはそんな器はない……。ーー自分は……天竜人なのだから。そのような器を持つ資格すらない……。
「何だ? 答えられないのか?」
「……」
ミーウは黙り込んだままでいる。
「わたしは……」
「ミーウは海賊王になる器を持つ女だ」
ミーウが話そうとしたのを割り込んで、ミシュラがセメイに言った。
「……ミシュラ?」
ミーウが不思議そうにミシュラを見た。
「ミーウは誰よりも強く、誰よりも優しい。それに……誰よりも仲間を大切にする。そんな女だから、ミーウは……いや、ミーウしか海賊王の器を持つ者はこの世界にはいない。たとえ……女であっても」
「ミシュラ……」
ミシュラは真っ直ぐ、素直に自分の気持ちを述べた。
「なるほど……」
セメイはミシュラの真っ直ぐな瞳を見つめて笑った。