第8章 幸せのかたち
ミーウはスレイジに向かって、にこりと笑った。
ドキッ
スレイジの胸がまたドキドキし出した。
(……きっと気のせいだ)
ー自分がこんな風になるなんて……。
スレイジはそう思い込んで、セメイの横にある椅子に腰を下ろした。
「ミーウ、アユナ、ミシュラ」
セメイは2人と1匹が座ったのを見てから、口を開いて話し始めた。ーーミシュラはミーウの足元に座った。
「この島はどうだった? 気に入ってもらえたか?」
「はい! とっても!」
ミーウは太陽のような笑顔をセメイに向けて言った。
「島の人たちの生き生きした様子や仲良く暮らしている様子を見て、わたしもここに住みたいって思ってしまったくらいです」
それを聞いて、セメイは満足そうに頷いた。ーーまるで、自分の孫の話を聞いているかのように。
「そうか。そんなに気に入ってもらえたか。それは嬉しいな」
「はい!」
セメイは相変わらず孫の話を聞くように、ミーウの話を聞いていた。ーーどうやら、セメイはミーウのことをとても気に入ったようだ。
「そうかそうか。それなら、ミーウ」
セメイはニコニコと笑ったまま言った。
「海賊なんかやめて、この島に住まないか?」
その瞬間、スレイジの周りの空気がビリッと音を立てて光った。