第8章 幸せのかたち
スレイジの家の中は見た目と同じようにとても広かった。
「うわー……広いね」
ミーウは感嘆の声を上げた。
「まァな」
「でも、ここの家にいるのはスレイジとセメイ殿だけなんでしょ?」
ミーウはスレイジを見て言った。
「……あァ……」
スレイジは少し寂しそうに一瞬だけ顔を曇らせた。だが、それは一瞬のことでまた元に戻った。
「そんなことはどうでもいいから、早くおじいのところに行くぞ」
家の中に入ると、長い廊下が続いていた。その廊下の壁にはいくつもの扉が付いていた。その奥に1つだけ大きな扉があった。
「あの扉の向こう側におじいがいるはずだ。案内する」
スレイジはそう言うと、さっさと歩き出してしまった。
「あ、ま、待って!」
ミーウたちは慌てて、スレイジの後を追った。
スレイジはミーウたちが来てから、扉をノックした。
「誰だ?」
中からセメイの声が聞こえてきた。
「スレイジです」
「おー、スレイジか。入れ」
それを聞くと、スレイジはゆっくり扉を開けて中に入った。
「おじい、ただ今戻りました」
「ご苦労だったな、スレイジ。お疲れ様」
セメイは孫であるスレイジに優しく微笑んだ。
「ありがとうございます」
スレイジはミーウたちの方を見た。
「疲れただろ? 座れよ」
スレイジはソファーを見て、座るように促した。
「あ、ありがとう」