第2章 幼き日の約束
「アユナはキッドよりも年下だが、大人っぽいじゃないか。むしろ、もう少し子どもっぽくなるべきだ」
その瞳は愛おしい者を見るようなとても優しいものだった。ーーアユナにはキラーの前髪のせいで見えなかったが……。
アユナは困った顔をして首を傾げた。
「そう、かな?」
「ああ、あまり気にしなくていい。あの2人は正真正銘のガキだ」
キラーはさらりと2人に対して、棘が刺さるような言葉をこぼした。
アユナはそれを聞き、少し可笑しそうに笑った。
「わたし、キッドよりも年下よ? しかも2歳も」
「心配するな。あいつは十分ガキだ」
「キッドが聞いたら怒るわよ?」
「別にいいだろう?」
アユナとキラーはそんなことを言いながら、楽しそうに笑っていた。ーーお互い、とても幸せそうな表情をして……。
(こんな時間が一生続けばいいのに……)
ーーそれはアユナ1人だけの願いではないのかもしれない……。
「最初はグー! じゃんけんぽん!」
そんな2人の話を気にもしないガキ2人は鬼にはなりたくないという思いで、本気のじゃんけんを始めた。2人の顔はとても真剣だった。
「あいこでしょ!」