第8章 幸せのかたち
ミーウたちはスレイジについて行って、市場に到着した。
「わー!」
ミーウは目を輝かせた。
「食べ物がたくさん並んでる! スゴい!」
ーーミーウはキッドとキラーと会う以外、ほとんど城にいたので、市場の様子はシェルミーと一緒に旅行に行った時以外はなかなか見ることができなかった。そのため、ミーウにとってはとても珍しい光景なのだった。
「この島にはいろいろな種類の実がなっている木がたくさん生えている。それに、海に行けばたくさんの魚が泳いでいる。だから、他の島と交流をしなくてもたくさんの食料が手に入るから不便な思いはしてねェんだ」
スレイジはミーウたちに説明した。
「へー、スゴいわね。自然に育った食料だったら、体にもいいし、とても安全ね」
アユナは感心したように頷きながら、スレイジの話を聞いた。
「あァ、だからこの島では病気になる子供やお年寄りが少ねェんだ。外から入って来る病原菌がほとんどないっていうのも理由の1つだが、水も食料もキレイで安全で健康にいい物を食べているからという理由も大きいんだ」
ミーウはその話を聞いて、島の人たちを見回した。ーー元気に遊ぶ子供たち、一生懸命元気に働く大人たち、そして……元気に歩くお年寄り……。
「ふふ」
ミーウは笑った。そして、スレイジを振り返った。