第7章 初めての島
老人はそうきっぱりと言い切った。
「……」
スレイジはその言葉を聞いて、黙り込んで何も言い返せなかった。ーー図星だったからだ。ーーよく考えてみればわかることだ。悪い海賊であれば、手合わせの時点で相手を殺す気で斬りにかかるはずだ。それに、スレイジの剣を弾いた時点で、ミーウはスレイジのことを斬るだろう。
ミーウは老人に歩み寄った。
「あの……」
老人はミーウを見た。
「わたしたち、足りなくなった食材を買いに来ただけなんです。食材だけはなくなったら代わりの物なんてありませんし、飢え死にしてしまうので……。それに、用件が済んだらすぐ出発するし……この島に危害も何も加えないし……」
ミーウが真剣に話しているのを見て、老人は笑った。声に出して。
「?」
ミーウは首を傾げた。
(なんか変なこと言ったかな?)
老人は笑い終わると口を開いた。
「本当に面白い娘さんだ。気に入った。この島に泊まりなさい」
「おじい!」
スレイジはその言葉に怒って老人を呼んだ。
「泊まり場所はわしらの家として……おお、そういや、わしの名前を言ってなかったな。わしはカファイナ・セメイという。よろしくな」
「私はキルリレ・ミーウです」
ミーウはアユナとミシュラを振り返った。
「アユナとミシュラも」
アユナとミシュラは頷いて、ミーウの隣に来た。
「アユナです」