第7章 初めての島
「ミーウ、キルリレなんて呼ばないで。ミーウよ、スレイジ」
「ミー……ウ……?」
ミーウの綺麗な紅い目を見返しながらスレイジが呟くと、ミーウは頷いて太陽のように笑った。それを見た途端、スレイジの心臓は急に跳ね上がった。再び、鼓動の音がうるさくなる。
「スレイジ?」
ドクッ
スレイジの心臓がまた跳ねた。
ミーウはそっとスレイジの顔から両手を放した。
「大丈夫?」
「あ……あァ」
スレイジは戸惑いながら、ミーウに返事を返した。
(な、なんなんだよ……。何で心臓がこんなにうるせェんだよ……)
スレイジは胸に手を当てた。まだ、心臓がうるさい。
ースレイジ?
ミーウに言われた一言を思い出して、また心臓がうるさくなる。
(どうしたんだ。おれ……)
ーー今まで感じたことがないくらいに頬が赤くなったり、心臓がうるさくなったり……スレイジにとっては理解できないことが多かった。
ーーこの時、スレイジはまだ自分の気持ちに気付いていなかったのだ。
「ミーウ」
アユナがミーウに歩み寄って来た。
ミシュラも後ろからついてきた。
「ミーウ、大丈夫? 怪我はない?」
アユナがとても心配している様子で聞いた。
「うん、大丈夫だよ」