第7章 初めての島
「図星みたいね」
ミーウはスレイジに歩み寄った。
「確かに……女は男より力は劣ってるし、戦いにおいては男の方が強い時が多いけど……」
ミーウは歩きながら話した。
「……女だからって、なめてたら痛い目を見ることになる時もあるんだよ? 世界はとても広いの。女でも強い人なんてたくさんいるわ」
(わたしは強い女の人をたくさん見てきた)
ー男にも屈することなく、女の身であったとしても互角、それ以上に戦う女海兵たちを。
ミーウはスレイジの前に来て立ち止まった。
「わかった?」
ミーウはスレイジの顔を見上げた。
「……用件が済んだら帰れ。海賊に説教される覚えはねェ」
スレイジは顔を背けた。
「負けは認める。だが、説教まで聞き入れるつもりはねェ」
ミーウはスレイジを見たまま目を細めた。
「今、そんなこと言っているつもりはないんだけど。わかったかどうかが聞きたいの」
スレイジは鼻で笑った。
「海賊が人の心配か?」
「別に人の勝手でしょ」
ミーウはずっとスレイジを見つめたままでいた。スレイジはその間、自分の鼓動がうるさいのを抑えようとしていた。ーーミーウに見つめられると、固まってしまう。なのに、鼓動は速くなる。
(どうしたんだ。おれ……)
ーースレイジにとって、初めてのことだった。
スレイジはミーウに気付かれないように、少しだけ呼吸を整えた。