第2章 幼き日の約束
「最初はグー、じゃんけんぽん!」
ミーウとキッドがパー、アユナとキラーがチョキ。
「……」
ミーウとキッドは睨み合っている。その様子はまるで、喧嘩でもしているようだった。例えて言うのならば、小さい子どもがお菓子の取り合いで喧嘩をするような感じだ。
そんな2人の様子をアユナとキラーは端から見ていた。ーー2人を優しく見守る夫婦のように。
「……ガキはじゃんけんを本気でやるよな。鬼をやるかやらないかだけなのに」
アユナは苦笑した。ーーキラーは自分たちよりも少し年上だ。だから、考え方が大人っぽい。
「そうね……」
そう思い、アユナは少し寂しげな顔をした。ーー自分もキラーから見たら、あの2人と同類になるのかと。あの2人と同じように子どもに見られていると思うと、少し傷付いている自分がいたのだ。
ーーミーウとキッドには失礼だが。つまり、子どもに見られたくないということだ。
「どうした?」
アユナはびっくりして、隣にいるキラーを見た。前髪で表情は見えないが、心配しているのが雰囲気でわかった。
「え、何、が?」
アユナは動揺した。ーーキラーが何を心配してくれているのか、わからなかったから。