第7章 初めての島
「だから、食べ物を買わしてもらえない? この島にもこの村にもここの人たちも何も危害を加えたり酷いことをしたりしないから」
ミーウは刀も何も構えないで、無防備な状態で話した。
スレイジはミーウを軽く睨んだ。
「おれたちがそんなこと言って信じると思ってんのか?」
スレイジは少し足を開いた。刀はミーウに向けたままだ。
「約束する」
ミーウはスレイジの目を見たまま、一瞬もそらさないでいた。
スレイジは1回だけ舌打ちをすると、刀を構えるのをやめた。
「……わかった」
ミーウは笑った。本当に嬉しそうに。
スレイジはまた固まってしまった。ーーミーウの太陽のような笑顔に見とれてしまって……。
「スレイジ!」
呆然としているスレイジをアレスが大きい声で呼んだ。
その声でスレイジはまた我に返った。
「何してるんだ? スレイジ」
「す、すまない」
スレイジはふっと息を吐き出した。
(……ダメだ。何してる)
スレイジは呼吸を整えた。
(ぼんやりとしてたらダメだ。こいつが能力者だったら……)
スレイジは唇を噛み締めてから言った。
「ただし……」
スレイジは〈紅桜〉を指した。
「おれとその刀を使った手合わせで勝てたらだ」
「え……」
「どうする?」
ミーウは首を振った。