第7章 初めての島
「……」
アユナは少しの間だけ、呆然としてしまった。
(……結構……無茶苦茶なこじつけね……)
そう思っていると、アユナの足元から声が聞こえてきた。
「無茶苦茶なこじつけだな」
アユナと同じ考えを持ったミシュラはため息をついた。
「〈紅桜〉がどうしたの?」
ただ1人、どうしてかわからないミーウは首を傾げた。
「それは刀なんだろ?」
スレイジは刀を構えたまま、ミーウを見ている。
「そうだよ」
「んだったら、武器ということになるだろ? 刀を腰に差しといて武器じゃありませんなんて言う馬鹿はいねェだろ?」
「うん」
ミーウは頷いた。
「今の時代、刀を持っているやつはどんなやつだ?」
「えっと……あ……」
そこまで言われてやっと理解したのか、ミーウは頷いた。
「そういうことか」
「そういうことだ」
ミーウはまた頷いて、スレイジを見た。
「海から来て、刀を持っているからっていうことだけで海賊って見なされるなんて……結構無茶苦茶なこじつけね」
ミーウの言葉にスレイジはカチンときた。
「黙れ! 海賊」
「スレイジ、落ち着け」
アレスは今にも切りかかりそうなスレイジを止めた。
「……それで、この島には何をしに来たんだ? 海賊」
村の男たちはミーウたちを囲んで、武器を構えた。
「食べ物を買いに来たの」
「食べ物?」
「そう。お金はちゃんと払うわ」
ミーウはスレイジの瞳を見たまま話した。