第7章 初めての島
「ねえ……」
ミーウはスレイジに声をかけた。
「……え?」
スレイジはミーウの声にとぼけた返事で答えて、ハッと我に返った。
「スレイジ、大丈夫か?」
アレスは隣でぼーとしていたスレイジに声をかけた。
「あ、あァ、大丈夫だ」
スレイジはアレスに答えてから、ミーウをもう1度見直した。
(何を考えてるんだ、おれは……)
ー相手はあろうことか海賊なんだぞ。そんな悠長なことを考えていられる隙なんてない。
スレイジは深呼吸をして、目を瞑ってからミーウを見た。
「何だ?」
「どうしてわたしたちが海賊だってわかったの?」
ミーウはじっとスレイジを見つめた。
「お前、自分の腰にある物が何かわかってんのか?」
「え?」
ミーウはベルトにくっ付けている〈紅桜〉を見た。
「あ……」
アユナはその言葉を聞き、どうしてスレイジたちが自分たちを見て、海賊だとわかったのかを理解した。ーーミーウの刀でわかったのだ。この時代、刀を持っているのは海賊か海軍か賞金稼ぎか盗賊か山賊のどれかだ。だが、ミーウたちは海軍が着ている服を着ていない。それに、賞金稼ぎだとしたら、海賊があまり立ち寄らないであろうこの島に来るはずがない。また、盗賊や山賊だったら、この島に住み着いているだろう。結果的に、ミーウたちは海賊と見なされるわけだ。