第7章 初めての島
「海賊はどんな奴らだ?」
アレスは強張っている顔をスレイジに向けた。
「女が2人とでっかい狼が1匹だ」
アレスは驚いてから、怪訝そうに眉毛を寄せた。
「女だろ? 何で海賊だとわかったんだ?」
「奴らを見ればわかる」
2人が話していると、風が優しく吹いた。
「いたー!」
2人はその声に驚いて、後ろを振り返った。そこには、ミシュラに乗ったミーウとアユナがいた。
ミーウはミシュラから飛び降りた。
「さっきの男の子だよね?」
ミーウはスレイジに向かって歩いた。
「来るな」
スレイジは背中にかけた鞘から刀を抜いて、ミーウに向けた。
ミーウはそれを見て、歩くのをやめた。
アレスはスレイジの横でミーウを見て頷いた。
「なるほど、確かに海賊だな。全員配置につけ!」
アレスの声と共に村の男たちがミーウたちを囲った。
ミーウは首を傾げた。
それを見た瞬間、スレイジは固まってしまった。
(可愛い……)
ーさっきは一瞬しか見ていなかったからわからなかったが、ちゃんと見ていると少女はとても可愛かった。歳は15歳か16歳位で、長くて黒い髪の毛を後ろの高い位置で結んでいる。紅い瞳のまだ幼い顔立ちが目立つ子だ。