第7章 初めての島
ミーウたちに追いかけられた青年は走っている途中に刀を背中にかけてある鞘に収めた。
(何で海賊がまたこの島に……)
ー何で……ずっと来なかったのに……。
「兄貴……」
青年は走り続けて、やっと自分の村に着いた。
「おォ、スレイジ」
村に着くと、大きな男が話しかけてきた。
「どうしたんだ? 帰って来るのがいつもより早いじゃないか。息もそんなに切らして……」
「そんなことより、おじいはどこにいる?」
スレイジは男が話しているのを遮って聞いた。
「おじいは家にいるが……何があった?」
スレイジのただ事じゃない様子を見て、男は少しだけ危機感を持って聞いた。
「海賊が……この島に海賊がまた来たんだ」
男は目を見開いた。
「何だと? 本当か?」
スレイジは1回だけ大きく頷いた。
「あァ、間違いない」
男は村を振り返った。
「おい、みんな! 海賊が来たぞ! 男は武器を取れ! 女と年寄りは子供を守れ!」
村の人々はその声を聞き、男は武器を持ち、女と年寄りと子供は家の中に入った。
それを見たスレイジは頷いてから男を見た。
「おれはおじいの様子を見て来る」
「待て、スレイジ」
走ろうとしていたスレイジを男は止めた。
「何だ? アレス」