第7章 初めての島
ーーミーウはクザンに武術を教わっていた。実践練習も何度もしていたため、足の速さもそこら辺の住民よりかははるかに速いはずだった。
「……」
ミーウは青年が走っていった方向を見つめた。
「世界って広いのね……」
(鍛えていたはずなのに……自分よりもスゴい人がいるなんて……)
「そんなこと言ってる場合か!」
しみじみともの思いにふけていたミーウをミシュラが珍しく怒った。
「あ、そうだった」
ミーウは青年の気配を“見聞色”の覇気で探したが、見つからなかった。
「どこに行ったんだろう?」
ミーウは周りを見渡した。
「さっきの奴」
ミシュラがふいに口を開いた。
「何でおれたちが海賊だってわかったんだ?」
ミシュラは少し怪訝そうな顔をしている。
「あ……」
「確かに……」
ミーウとアユナはミシュラの言葉にハッとした。
「よくよく考えたらおかしいわよね……」
アユナが冷静だが、少し強張った様子で言った。
ーまだ、指名手配にされていない自分たちをどうして海賊だと一目でわかったんだろう?
「……」
ミーウは黙って、さっきの青年の様子を思い出していた。
(さっきの男の子……)
ー見た感じ“見聞色”の覇気は使えなさそうだった。じゃあ……。