第7章 初めての島
そう言って、3人は歩き出そうとしたが……。
バキバキバキバキ
いきなり後ろから、大きな音がした。
2人と1匹は驚いて、その方向を見た。
大きな音を立てて倒れた大木の後ろに青年がいた。その青年はバチバチッと音を立てながら、光をまとっている刀を持って立っていた。
その光を見て、ミーウは瞬きをした。
ーあれは……。
「雷?」
ミーウの声が聞こえたらしく青年は顔を上げて、ミーウたちを見つめた。
「お前たち……」
青年は目を細めた。
「海賊?」
ミーウたちは驚いた。はっきり言うと、ミーウたち2人と1匹は海賊に見えない。ミーウはまだ幼い顔立ちの目立つ少女。アユナは可憐でか弱い感じの少女。ミシュラはペットとしか思えない狼。どう考えても賞金首にならない限りは海賊として見ることができない。ーー本人たちにその自覚はないが……。
青年は後ろを向いて、走り出した。
呆然としていたミーウは我に返った。
「あ、待って」
ミーウは青年を追い始めた。アユナとミシュラも。だが……。
(速い……)
青年の足は速過ぎて、ミーウたちは見失ってしまった。
「はァ……はァ……」
ミーウは息を切らして、膝に手を置いている。
「大丈夫か?」
ミシュラが2人に声をかけた。
「大丈夫……」
ミーウは深呼吸をして、膝に置いていた手を腰に置いた。
「ミーウが追いつけないなんて……」
隣にいるアユナが信じられないという顔をしている。