第7章 初めての島
「ミーウ、今なくなりそうな食料は卵や油で海にはないものなの」
「……」
ミーウは少しの間、動きを止めて目を点にした。
「お肉とかおかずがなくなったら、海王類を取ればいいと思うわ。でも、どうやって調理するつもりなの?」
ミーウは黙ってしまった。
「人の話ちゃんと聞いてた?」
「……ごめん」
ミーウは困ったように笑った。
「聞いてたけど……まだ頭が働いてないみたい」
ミーウは少し舌を出して言った。
アユナは呆れながらも優しく笑った。
(ミーウの気持ちは嬉しいけど……)
ーーミーウはアユナを慰めるつもりで言ったのだろうが、 その優しさが裏目に出てしまったらしい。
アユナはふーと息を吐いた。
「……しばらく、食べ物を生で食べなきゃいけないかもね……」
アユナは考えた。
ーどうすれば、生のままでも美味しく食べれるのだろう。
「刺身とかにすれば簡単だし美味しく食べれるかな? 後は……サラダ?」
「刺身はいいわね。海王類を剣でさばいていけばそれでいいんでしょ? サラダも野菜を使うから、栄養の偏りがなくなっていいかも」
ミーウとアユナは今後の料理のメニューについて話し合っていた。
「ミーウ! アユナ!」
2人の会話に花が咲き始めた時、ミシュラが中に入って来た。
「島が見えたぞ!」
「本当!?」
ミーウとアユナは立ち上がって、船首に向かった。
「……ミシュラ、あの島?」
「ああ」
ミーウたちの船の針路にその島はあった。