第7章 初めての島
「もうすぐ食料がなくなりそうで……」
アユナは沈んだ様子で言った。
ーーしっかり食べ物の配分を考えて、1週間は余裕で過ごせるように考えたのだが……。
「思ったよりも使いすぎちゃって……卵とか油とか料理の中心になる食材がなくなりそうなの」
ーーこの1週間の間、船の揺れに慣れるまでは簡単な料理にしようと思っていたが、何度か失敗してしまい、卵や調味料を予定よりも多く使ってしまったのだ。
ミーウは納得した。ーー自分よりも頭が良くて、気配りのできるアユナがたった1週間で食料をきらせるなんて珍しいと思っていたのだ。
「それで島は見つかった?」
「今はまだ見つかっていないと思うわ。見つけたら言いに来るってミシュラが言ってたから……」
「そう……」
ミーウは窓の外を見た。周りには海しかなく、島はない。‘‘見聞色”の覇気を軽く発動させたが、自分たちの船の位置から近くにいる人の気配はなかった。
「ごめん」
アユナはミーウに謝った。
「気にしないでよ。アユナにはいつも美味しいご飯を作ってもらってるのに、食料の配分まで考えろなんてそのこと言わないよ」
ミーウは笑った。
「なくなったら海王類を獲ればいいじゃない。わたしがほんの数分で倒すから。そしたら、焼いてみんなで食べよ?」
アユナはため息をついた。