第12章 ストーカー
私は、本当は玄関のドアを開けてタカシに会いたかった。
でも、それをしたらまた元に戻ってしまう。
私は、またタカシにレイプまがりのセックスをされるだろうと思っていた。
でも、私の身体はそれを望んでいたのだ。
彼とのセックスを忘れる事はできなかった。
私は、自分の想いを断ち切る様にして尚もタカシにこう言ったのだ。
「お帰りください…」
そう言うと私は玄関の灯りを消した。
その灯りが消えるとタカシは帰ってゆくのだった。
だが、タカシは諦めてはいなかった。
次の週の土曜日の夜にまた私の家のチャイムが鳴ったのだ。
多分、タカシだろうとは容易く想像できた。
私は、玄関に行き灯りを付けてこういったのだ。
「どちら様ですか?」
「俺だよ、タカシだよ、開けてくれないか…」
私は、そのタカシの言葉を聞くと無性に会いたくなってしまった。
でも、鈴木先生との約束もあった。
私は、その気持ちに応えるようにこう言ったのだ。
「タカシなんて人は知りません、お帰りください…」
タカシは玄関の外で立ち尽くしていた。
私はそう言ったものの、玄関の灯りを消すことができなかった。
暫く、玄関に私はいてタカシの様子を見ていた。
すると、タカシが帰ろうとするではないか。