第12章 ストーカー
これで私の家に夜中に来たのは3度目だった。
私は、帰ろうとするタカシのシルエットを玄関越しに見るととっさに玄関に降りドアを開けてしまった。
それに気づくとタカシは玄関のドアを大きく開けてきたのだ。
「ようやく開けてくれたのかよ…」
私は、それを聞くと何も言えなくなってしまった。
「何で、毎回も俺を締め出したりするんだよ?」
「そ、それは…」
私は口ごもってしまう。
「俺の事、嫌いになったのか?」
「そ、そんな事ないわ…」
それを聞くとタカシは私の身体を玄関の壁に押し付けるようにして迫ってきた。
私は、行き場を失い、タカシの身体から逃れられない状態になった。
タカシは私の身体をキツク抱きしめるとキスをしてきた。
そのキスは舌を絡ませるディープキスだった。
キスをし終わるとこう言ってくるのだ。
「なんで、家に入れてくれなかったんだよ…俺は、入れてくれるの待ってたんだぜ…」
ちょっと子供の様に半泣きで話すのだった。
私はタカシに抱きしめられながらそれを聞いていた。
「俺、お前の事が好きなんだ…」
それは、初めての告白の様に私には聞こえてきたのだった。
私の心はまたもや複雑に絡み合っていた。