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愛欲と追憶の日々

第12章 ストーカー



でも、そう話すしかなかったのだ。

「お帰りください…」
「え?家に入れてくれないのか?」

「はい、タカシなんて人知りませんから…お帰りください…」

それを聞くとタカシはガッカリしている様だった。
私は、そんなガッカリしているタカシを無視して玄関の灯りを消した。

そして、ベッドへと潜っていった。
タカシは諦めたように帰って行った様だった。

しかし、タカシのこの行動は1度では収まらなかったのだ。
次の週の土曜日の夜だった。

また、夜の12時を少し回った時だ。
我が家のチャイムがまた鳴らされた。

誰かと思い玄関に出て灯りをつけた。

「どちら様ですか?」
「俺だよ、タカシだよ…開けてくれないか?」

そうなのだ。
また、タカシが夜遅くに私の家にやって来たのだ。

私は、また鈴木先生のことを思い出していた。

「絶対に、家に入れたらダメよ…」

その言葉を思い出し私はタカシにこう言ったのだ。

「タカシなんて人は知りません、お帰りください…」

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