第8章 嫉妬
タカシの声は大きく、ご近所にも聞こえるのではないかと思ってしまった。
何しろ、日曜日の朝の6時頃なのだ。
どこの家でもまだ静かに人々は眠っているだろう。
そんな静まり返っている朝に大声でタカシは叫ぶのだった。
私は、タカシをなだめたのだが、それを聞こうとはしなかった。
「タカシは昨日の夜来るって言ってたじゃない!?」
私はそうタカシに言ったのだ。
すると、タカシはこう言ってくる。
「昨日は忘年会で夜遅くまで飲んでて、その後カラオケ行って朝まで飲んでたんだっ!!」
タカシは怒りながらそういてくる。
(忘年会?私との約束を破ってまでして忘年会なの?それもその後にカラオケ?)
そう、私は心の中で思ってしまった。
確かに、金曜日の夜の電話では土曜日の夜に来ると言っていたではないか。
私は、何となく納得がいかなかった。
「昨日の夜に来るって言ったじゃない?」
私は、少し怒ったようにそうタカシに言った。
すると、どうだろう。
開き直ったようにタカシはこう言ってくるのだ。
「会社の忘年会だぞ、出ない訳いかないじゃないか…」
「そうなら、そうと言ってくれたら良かったのに。守れない約束はしないで欲しいわ…」
私も少しムっとしてそう言い返した。