第8章 嫉妬
日曜日の早朝6時頃、私の家のチャイムがけたたましく鳴る音で私は目が覚めた。
ベッドの隣で眠っている翔はそれに気づいていない。
私は、急いで玄関に向かいチャイムを鳴らす何者かに声を掛けた。
「誰?どちらさま?」
すると、どうだろう。
非常に激怒したような声でその何者かはこう言ってきたのだ。
「俺だよ、タカシだよ!!早く玄関開けろよ!!」
何故だか知らないが、相当怒っている様に私は感じてしまった。
玄関のチェーンを外し、鍵を開けドアを開けた。
私の顔を見るなりこう言ってくるのだ。
「もう、新しい男家に連れ込んだのかよっ!!」
そうなのだ。
タカシは翔が乗って来た自転車を見てそう言ってきたのだった。
私は、それを聞いて慌ててしまった。
「違うのよ、友達が来ただけなの…」
「でも、泊って行ったんだろ?それも男だろっ!!」
タカシの怒りは相当なものだった。
「その男とはもうヤったのかよっ!?」
「そ、そんなことしてないわ…」
事実、私と翔はそんな関係ではなかった。