• テキストサイズ

愛欲と追憶の日々

第5章 土曜日


私は、玄関の灯りを付けると誰がこんな夜更けに来たのかと思っていた。
そして、その何者かにこう問いかけたのだ。

「どちら様ですか?」
「俺だよ、タカシだよ…」

そう、タカシがやって来たのだ。
時刻はすでに夜中の12時を回っていた。

「待って、今開けるから…」

私はそう言うと玄関のドアを開けた。
すると、タカシが泥酔した状態で玄関に入って来たのだ。

強か、みゆきで飲んできたらしい。

「お、俺だよ、俺、た、タカシだよ…」

かなり、ろれつが回っていなかった。
こんな状態で外に立たせておく訳にもいかず、私は玄関のタタキにタカシを上がらせた。

その時だった。
いきなり、私に抱き着いてきたのだ。

「お前さ、名前なんて言うんだっけ?」

タカシは私の名前を憶えていなかったのだ。
これにはちょっとショックを隠し切れない私だった。

「真帆よ、忘れたの?」
「真帆?お前、真帆って名前なんだな?」

酔っぱらった状態でそう言ってくる。

/ 100ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp