第1章 1.再会
私は烏野高校へ進み、1年2組になった。
彼氏を作りたいとか、所謂"高校デビュー"をしてはっちゃけたい願望も特になく、周りの子は「◯◯くんカッコ良くない?」とか「彼氏できたんだぁ」とか言っているのを興味ありげに聞き流す日々。
だったのに。
移動教室で3組の前を歩いている最中に、ふと教室を見たら
見覚えのあるネイビーがかった黒髪
キリッとした目と眉
綺麗な輪郭
飛雄くん…?だよね?
一瞬しか見ていないから確信が持てない。
授業が始まったのに全く集中できない。
飛雄くんに似ているだけかもしれない
いやでもあの髪色に丸みのあるシルエットは飛雄くん
そんなことをずっと考えていたら50分あっという間に終わってしまった。
教室に戻る時もまた3組の教室を覗く。
ガン見しないように…さりげなく…さりげなく…
いないーーーーー。
飛雄くんのことを考えてドキドキして喉が渇いたから一階の自販機に行こう。
やっぱりまだ飛雄くんの事が忘れられないし
好きなんだ…
頭の中が飛雄くんでいっぱいのまま一階に降りた。