第1章 1.再会
「うそ…!飛雄くんだ!」
私はお料理が好きで、よくお母さんがお料理をしている時は必ず台所へ見に行き「潔子もやる!」と駄々をこねた。
幼稚園の頃からそうだったらしい。
小3から同じクラスの飛雄くんは、5年生の時の調理実習で同じ班になり、私が担当したサンドイッチを
「すげーうまそう!潔子センスいいな!…はむ……うめぇ!」
とベタ褒めしてくれた。
小学校のクラブ活動では家庭科クラブに入り、サラダ、ほうれん草のおひたし、ゆでたまご、と簡単なものを作るのだが、
スポーツクラブの飛雄くんはなぜか出来上がる頃にやってきた。
窓から覗いて食べたいアピールをしてくるのだ。
そんな飛雄くんに微笑ましく思いながら少し分けてあげるのが毎回恒例となった。
そんな飛雄くんがいつの間にか好きになってしまったのだが…
3年前
私と飛雄くんは学区が違い、飛雄くんは北川第一中学校、私は五条中学校へ進んだ。
卒業式で恥ずかしくて話し掛けに行けなかったのを後悔している。
もう飛雄くんと会うことはないんだーーー
諦めていたのに
こんなことある?
まさか、烏野高校で再会できるなんて