第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】
「あ"っ、い"……ッ!!」
気が付いたらの髪の毛を掴んでいた。
ほとんど無意識だった。
急にひっぱりあげられてくぐもった声を上げる。
空色の髪ゴムに結わえられたポニーテールを、構わずギリギリと吊り上げる。
の重さに耐えきれずぶちぶちと頭皮から髪の毛が抜けるのが分かった。
のうなじの皮膚も引っ張られているせいで、赤く色づいた。
「い、いたいっ!!いたっ……!!は、はな…してっ!!」
「気持ち悪ぃ色しやがって。目障りなんだよ」
髪を掴んでいない右手で、ポケットに入っていたライターを取り出した。
硝子がいつも煙草吸うから持ち歩くのが癖になっていた。
それが今ここで役に立つと思わなかった。
五条はライターをつけた。
目を見開くの姿が、スローモーションのように見えた。
自分の手の動きでさえも。
自分の意思の関係ない所で手が動き、それでもこの行動すらも意識の片隅では当然だと思っていた。
昨日の光景を見た、あの瞬間から。
髪の毛に火をつけ、燃えた傍から引きちぎった。
焦げた髪の毛の繊維はいとも簡単に引きちぎられ、支える力を失ったの頭は重力に逆らうことなく、畳に突っ伏した。