• テキストサイズ

【雑多】いつかどこかで【短編集】

第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】






「確かに遊びに来てはいたけど、稽古の口実とかじゃなくて……」

五条が言い淀んだのを嫌味と取ったらしいは早口に捲し立てた。
どうやら五条の先ほどの言葉を気にしているらしかった。
彼女は自分が弱いと自負しているが、自負しているからこそ「弱い」という言葉を嫌う。
それを知っているからこそ、五条はわざとそう言ったのだ。

「あれは、中学の時の同級生で、東京に引っ越ししたって聞いてて、昨日たまたま再会しただけで……」
「………」
「別に、あの後は何もなかったし……」

怒りのためか、悲しくなったのか。
微かに赤らむ顔に昨日のの微笑んだ顔が重なった。
俺の前では決して見せることのない表情。
まるで相手の男を庇っているような言動。
のその声に。
イライラする。

「その話、長えの?」

中学の同級生。
それにしてはやけに近い関係のように見えたけど。
少なくともあんな風に柔らかく笑うくらいには。




/ 417ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp