第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】
「、君昨日から東京にいるだろ」
「え、なんで傑先輩知ってるんですか」
「だって昨日―――」
ガンッ!!
五条は思い切り机を蹴っ飛ばした。
これ以上、彼等の会話を聞いているのは苦痛だ。
「悟?どうしたんだい?」
「別に。部屋に戻るだけだけど」
大きな音にみんなの視線が五条に集まる。
みんなの視線の中にはもちろんの視線も含まれているわけで。
さっきまでのくったくのない笑顔はまるで嘘だったんじゃないかと思うほど、一気に表情が強張っている。
その表情に内心で舌打ちをした。
いつもそうだ。
は他の奴と接するときは笑っているが、五条の前では笑顔のえの字もない。
常に眉を寄せ眉間に皺を作っている。
そうさせているのは自分だと分かってはいる。
が、気に食わないものは気に食わない。
「邪魔」
「え……?」
「部屋戻りたいんだけど。そこにいられると邪魔なのわかんねえ?ここでずっとたむろって長話しして、何がしたいわけ。井戸端会議なら外でやれよ。それともなに。ここにいれば構ってくれると思ってんの?かまってちゃんかよ」
「悟」
苛立ちも露わになる。
たしなめる様に傑が俺の名前を呼ぶが、黙殺した。
「明日朝早くから任務なんだよね、俺。どっかの誰かさんと違って忙しいんだよ」
「ご、ごめんなさい」
「謝るくらいなら早くどけよ。鈍くせえな」
俯いて謝る姿にこめかみがひくついた。
明日、任務は確かにあったがそれは昼からだ。
それに繁忙期も過ぎた。
そこまで忙しくはないが、そう言ってしまったのは目の前のこいつの一挙手一頭足、全てが気に食わない。
嫌味な言葉が湧き水のように溢れては零れる。