• テキストサイズ

【雑多】いつかどこかで【短編集】

第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】






弱者を見下すのは己が最強であると同時に、弱者に対する手間をや配慮が面倒で、気を遣うのは疲れると言い放ち夏油に咎められたのはつい最近のことだ。
そのため、万年3級術師ののことも同じ理由だと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。

の笑顔を見ると、イライラする。
他人と話しながら大きな口を開けて笑う姿に、虫唾が走って仕方が無い。
その顔をやめろ、と。
声を張り上げて怒鳴ってしまいたくなる。

傑や硝子、七海や灰原なんかはの事を気に入っているらしく、特に歌姫はめちゃくちゃ可愛がっていてそれも気に食わないしムカつく。
弱いくせに調子に乗っているのか分かんねえけど、そんな奴に構うアイツらに腹が立って苛立ってしょうがない。

それに、の声を聞くだけで心臓の速さが倍になる。
女特有の甲高い声やキンキンとうるさい声は鳥肌が立つほど嫌いだが、の声はもっと嫌いだ、耳障りだ。
心の中にじわりと広がるような零れたインクのようにゆっくりとしみこんでくるような、柔らかく陽だまりのようなその声色は、気持ちが悪い。
底なしの海に沈んでいくような感覚さえ覚えてしまう。

呪力も術式も中途半端。
体術だって歌姫以下。
考え方も何もかもが甘っちょろく、よくそんなんで呪術師に成なろうと思ったな。
呪術師はそんな甘い世界じゃねえだんよ。
それでもなりに毎日頑張っていると、歌姫がフォローしてたけど、弱者が弱者にフォローされたら終わりだろ、馬鹿か。
まぁ、別にそれはどうでもいいんだよ。



/ 417ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp