第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】
五条悟はのことが嫌いだった。
それは東京都立呪術高等専門学校にいる者だけでなく京都府立呪術高等専門学校、フリーの呪術師など、呪術界に身を置く者なら誰しもが知っている事実だ。
もちろん、本人のでさえも。
なぜかはわからないが、あの漆黒の瞳に見つめられると落ち着かなくなる。
初めて会ったのは五条が2年でが1年の時。
人数不足という理由で姉妹校交流会に参加させられた京都校唯一の1年だと紹介された馨を見た時、妙な感じがした。
2回目、がプライベートで東京に遊びにきたついでに高専に立ち寄った時にたまたま偶然顔を合わせた。
初めて会った時の妙な違和感。
2回目会った時も同じ違和感を抱き、それは確かなものとなった。
ああ、俺はこいつが嫌いだ。
がどんな奴なのか、まったく知らないが。
それでも五条は「嫌いだ」と決めつけた。
生理的に無理な人間というものは少なからずいるが、五条にとっては殿堂入りを果たす程の存在になった。
真っ黒くて長い髪の毛、笑うとの覗く八重歯、誰に対してもフレンドリーな態度、そして見る者を射抜くようなアーモンド形の大きな漆黒の瞳。
そもそも五条悟はという男は、自分より弱い人間を見下す傾向があった。
それが年上だろうと偉い人であろうと関係なしに。