第27章 【石神千空】Love is blind.
は混乱していた。
ズキズキと痛む頭を抑えながら、今の状況を必死に考える。
昨日の記憶が途中で斬れているところをかんがえると、久しぶりに飲みすぎたんだと理解はできる。
理解はできるが、果たして自分は今誰の家にいるのか。
そこが問題だった。
仲のいいゲンや羽京の家なら謝罪の一つで許してもらえるし、なにより変なことはしないっていう信頼がある。
しかし、彼ら以外となると話は別だ。
謝罪をすれば許してもらえるかもしれないが、変なことをされている可能性があるうえ今後都合のいいようにされてしまうかもしれない。
原因はもちろん飲みすぎたにあるため自業自得と言われてしまったら反論できない。
恐る恐るは布団を捲った。
「……服、着てる」
昨夜と何も変わらない格好にほっと胸を撫でおろした。
「そうだよ。必ずしも男の人の家ってことはないじゃん。ちょとクール系の女の人の家ってこともあり得るわけだし!!」
寝室のインテリアはどう見ても男であるが、は現実逃避をするためにそう自分に言い聞かせた。
その時だった。
「残念ながら男の家だな」
「うわっ!!」
寝室の入り口に立っている人物には驚きを隠せない。
何故ならそこには昨日知り合ったばかりの石神千空の姿があったから。