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【雑多】be there【短編集】

第27章 【石神千空】Love is blind.






「で、どうする?この子」

店の外に出たはいいものの、完全に眠ってしまっているに困惑する面々。
彼女の家を知っている者は当たり前だがいない。
ゲンと羽京の二人を除いては。
それに、これから二次会でカラオケに行こうかと話している彼らにとって、彼女を家に送ると言うのは言わば"罰ゲーム"のようなもの。
それでも、中には彼女を送り届けるふりをして抱こうと考える輩も一定数はいるのは事実。
仲のいいゲンや羽京が送るという手もあったが、男二人で女性の家に行くと言うのも引けたし、だからと言ってどちらかの家に招き入れるというのも引けた。
できれば同性にお願いしたいところだが、今残っているメンバーの中にそれを承諾してくれそうな人はいない。
困ったな、なんて思いあぐねていると「あ゙~、面倒くせえな。だったら俺が送るわ」と千空が心底面倒な顔をして名乗り上げた。

「え~、千空くんカラオケ行かないの?」
「千空くんの歌声聞きたいのに~」
「あ、じゃあさ。その子送り届けたらでいいからカラオケ来てよ」
「場所送るからさ、連絡先教えてよ」

女の子たちはあからさまに嫌な顔をするも、数秒後に掌を返したようにきゃあきゃあと騒ぎだす。
その様子を見ていたゲンと羽京は「千空ちゃん、こういうの嫌いそうだよね~、ジーマーで」「"そう"というか、嫌いでしょ。顔が死んでるもん」と乾いた笑みを浮かべていた。



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