第25章 【虎杖悠仁】ときめき
虎杖は急いでいた。
五条もまた焦りの色を見せていた。
菜々子から電話があったのはちょうど高速を降りた頃。
ここからは変にスピードを出せない分、焦りが生じるもあの双子が時間を稼いでいることを信じていた。
羽田空港に到着したのは電話を切って10分経つか経たないか。
我ながら最高の運転をしたと誉める五条に虎杖は。
「ありがとう先輩。このお礼は……」
「いいから早く行け。生まれてこの方25年。こんな熱い走りをしたのは初めてだぜ」
「いや、先輩まだ10代」
「うるせえな、早く行けって。んで、自分の気持ち伝えて来い」
「うっす!!」
扉を閉めて、虎杖は走る。
誰もいなくなった車内、五条は深く息を吐いた。
「ホワイトより前髪。全ての作戦、無事完了」
「了解。美々子達と合流した。悟もさっさと来い」
「はいよ」